香りの散歩道


万葉食

墨絵・朝野泰昌
「朝野家 香りの散歩道」
この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りします。

みずみずしい梨が、ひときわおいしい季節ですね。『万葉集』には、こんな和歌があります。

梨棗 黍に粟嗣ぎ 延ふ田葛の 後も逢はむと 葵花咲く

(なしなつめ きみにあわつぎ はうくずの のちもあわんと あおいはなさく)

梨(なし)や棗(なつめ)、黍(きび)に粟(あわ)が次々と実るように、つるをのばす葛(くず)のように、また逢いましょうと葵(あおい)の花が咲くよ・・・という歌です。

このほかにも、植物を詠った和歌はたくさんあり、当時の人々の食生活も想像することができます。
それらをもとに、1300年前の食事が再現され、「万葉食」と名づけられていることをご存知ですか。

牛乳を煮詰めて作った、蘇(そ)と呼ばれる古代のチーズ。
万葉植物の揚げ物やおひたし。緑茶の葉を乳酸発酵した、碁石茶(ごいしちゃ)も再現しました。
そうして完成した「万葉食」は、予約制ですが、静岡県浜松市にある「万葉の森公園」で味わうことができます。

古代の食事はどのようなものだったのか。
「万葉食」の再現に取り組んだのは、地元の女性グループです。

『万葉集』などの書物や、遺跡から発掘された物を手がかりに、材料や調理法の研究を重ねました。
「再現できても、食べてもらえなくては意味がない」と、化学調味料は使わず、現代人の口に合う味付けを工夫したそうです。

万葉人(まんようびと)が生きていた時代へ、胃袋でタイムトリップできそうですね。


「朝野家香りの散歩道」この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りしました。

*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

9月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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